よくある話題です。
今回は初めてレンズ交換式カメラを購入した、しようとしている人、ポートレート撮影をはじめたい人向けのレンズの話です。
つい最近までポートレート撮影において大口径単焦点以外はありえないと思ってましたが、最近そうでもなくなりました。
なぜか?
1.大口径単焦点レンズでも屋外でロケ撮影をする場合はF4、5、6くらいまでは絞ることもある
主題は人でありつつも、背景もとても大事です。
見る人をぐっと引きつける写真は背景も丁寧に扱ってあります。
大口径単焦点レンズも絞るときれいな円形ボケじゃなくなったり、そもそも解放から円形ボケじゃないのもあります。
2.撮影場所にこだわると、人の多い場所も多く、ストレス無く撮影できる時間は短いでのでレンズ交換や立ち位置調整の時間を極力なくしたい
同じ敷地内でも極力穴場スポットを探すのですが、週末撮影だとどうしても思うようには行きません。画質も大事ですが自分とモデルさんの集中力も大事です。当事者以外の要因による機会損失はゼロにしたいです。
この点、ズームレンズは人の流れや場所の広さに合わせて臨機応変に対応できるので良いですね。
先日、紫陽寺に撮影に行きました。
この辺りのことが気になったので割り切ってSAL2470F28ZとSEL70200Gをそれぞれ別のボディにくっつけて持っていきました。
そうすると、思った通り、撮影がスムーズにいったのと現像してみると思いの他仕上がりが良かったことが今回この記事を書こうと思った1番の理由です。
もちろん、ズームレンズのよろしくないところもあります。
1.背景をよりボカしたいときは望遠域を使うことになるので被写体との距離が必要になる
2.足を動かさずに、ついちまちまとズームで画角を調整してしまう
意図に合った画角を決めてそこから立ち位置調整した方が良いと思いますが、夢中になってしまうとついズームに頼ってしまいます。
そういう意味でポートレート(も他のジャンルも)初心者のうちは単焦点レンズで歩き回りながら構図を試行錯誤するのが良いのかなと思います。
ある人は便利ズームは写真がヘタになると言ってましたが、ほんとにその通りだと思います。
ただでさえ撮影中はいろいろ気にすべきことが多いので、焦点距離は一定の方が構図やその他のことに集中しやすいと思います。
3.写真のメリハリ
合焦域とそうでない部分のメリハリはやはり単焦点レンズにはかないません。
しかし、そこは構図や現像による工夫でなんとでもなる部分でもあります。もちろん、現像に時間をかけなくても良いのが1番だとは思いますが。
そんなわけで、最近はSEL24105F4が欲しいのですが、単焦点と入れ替える勇気はまだありません。
結論としては、単焦点もズーム両方とも必要だ!と言いたいところですが、Eマウントでポートレートレンズを選ぶ時のおすすめを下記のように場合分けしてみました。
1、ポートレート撮影を始めたい、たくさんポートレートを撮りたい人向け
→SEL85F18 楽しくないと後が続かないので、まずはこちらで被写体のグッと引き立つ様を見て楽しむのが良いと思います。35mm、50mmと比べても同じ絞り値でボケ具合が全然違う違うので、キットレンズからのステップアップであれば人に限らず何を撮っても楽しいと思います。
85mmはボケで背景を整理することで被写体を引き立てやすい画角です。90mmマクロも同じように使えるレンズで、さらに接写などにも使えます。しかし、マクロレンズの特性上AFは85mmと比較して遅くなると思っておいた方がいいと思います。
24mmなどの広角レンズはより多くのものが画面内に入ってくるので要素を整理するのが難しくなる傾向です。
結果、85mmなどの中望遠と比較して、慣れないうちは画面内が散漫な印象になることが多いかも知れません。
2、ポートレート「も」撮りたい、とりあえず単焦点レンズが欲しい人向け
→SEL55F18Z 日常スナップからポートレートまで卒なくこなします。コンパクトで軽いので、カメラを持ち出しやすいです。初めて行く場所など、どの程度被写体と距離を取れるのかわからない、あまり機材を持ち歩きたくない時には自分はこの1本だけ持ち出します。
被写体との距離が取りづらい場所では85mmは窮屈な写真になってしまいます。
SEL55F18Z
3、ポートレートは結構撮っている、もっと撮りたい人向け
→SEL70200F4 ポートレート用に買う人は少ないかもしれませんが、85mm、105mm、135mm、200mmと背景を大きくボカした写真が撮りやすい焦点距離がまとまっているので開けた場所ではとても使いやすいです。望遠レンズの圧縮効果で背景がぐっと圧縮されるので、夜景バックにもしっくりきます。桜の季節など、花が背景の場合も密度が出て良いです。
ただし、被写体との距離はかなり長くなるので、うるさい場所や狭い場所ではおすすめできません。
F2.8通しはよりボケますが、この焦点距離であればF4でも十分ボケるのと、F2.8通しは非常に重いので、すごく疲れます。ですので、F4通しのこちらがおすすめです。
SEL70200G
4、屋内で子どもをたくさん撮りたい
→SEL35F28Z 被写体とあまり距離を取れない室内でとても使いやすい画角です。
とてもコンパクトなので、子ども一緒の外出時にも便利です。ただし、広角寄りなので、ボケはあまり望めません。被写体と背景の距離を持たせる、レンズと被写体の間に立つワキ役を入れるなどして、前後の空間を上手く使いましょう。
5、あまり難しいことは考えたくない
→SEL24105F4 それなりに大きくて重いですが、上記4項目を満たせます。
ただし、写真を始めて間もない場合には、大口径単焦点のように簡単にボケるレンズではないので、なんだかパッとしない感じがすると思います。自信がない場合は、まずは単焦点レンズを一本買ってみましょう。
今回は後ろ姿をあまり撮らなかったので、少ないです。
α7ⅲ + SEL70200G(F4解放)
左 70mm 右 200mm
200mmはもちろん、70mm でも背景との距離を取ってあげれば、かなり綺麗にボケます。
Aマウントが使えるであれば、重いですがタムロンのA009Sも安価で高性能なのでおすすめです。
α99 + SAL2470F28Z
24mm F8