カメラ乗り換え! 〜 sony α7ⅲからLUMIX S5へ 〜
今回は、長年使ってきたSONY αからLUMIX に乗り換えた話です。
簡単に乗り換え理由を説明するならば、S5の方が気持ちよく動画が撮れそうに思ったからです。
今年から動画撮影も始めまして、その中で動画機材への関心が高まってきたことが背景にあります。
引き続き静止画だけ撮るんだったらα7ⅲで十分というか、使い慣れたα7ⅲの方が良いのですが、動画に関してはS5が気持ちよく動画が撮れると判断しました。
以下、S5の動画気持ちいいポイントです。難しいことはわからないので、かんたんに。
早速撮ってみた動画もぜひ見てみてください。モデルはelicaさんです。
ジンバル+フォローフォーカスで撮影しても良かったのですが、S5のボディ内手ぶれ補正でどんな感じになるか気になったので、ジンバルなしで撮影しました。オールドレンズを主に使ったので、良い感じに画面内に明暗の強弱が出せたと思います。
静止画ではポートレートをメインに撮っていますが、動画もポートレート(?)メインに撮ってます。
【S5の気持ちいいポイント】
1、動画の諧調が気持ちいい
α7ⅲの8bitに対して、S5(やS1系、GH5系も)は10bitで動画が撮れます。
V-LOG形式で撮って、そこそこ色味も触る場合(写真で言うとrawデータを触る感じに近いと思います)の話ではありますが、10bitは8bitと比較して4倍の情報量があるので、微妙な諧調も綺麗に表現できます。
動画の編集をしてて、私がよく気になるのは逆光時の空の諧調と暗く落ち込んだ影の部分のバランス取りなのでそこに期待しました。
「ここ完全に白とびしちゃったかな」と思う部分も、粘り強く諧調が残っていたり、暗部を明るくしたいときにもノイズが目立ちにくくて、とても画作りがしやすかったです。
元の動画の質が良ければ、切り出した写真も綺麗になります。
FHD 10bit V-LOGを編集したものから切り出し
2、スローが気持ちいい
動画を撮ってて楽しいのはやっぱりスロー表現です。ゆっくりと動く、髪や服の動きは動画ならではの素敵な表現です。
せっかくの美しい動きは諧調も美しくあって欲しいのですが、α7ⅲでは4K60Pに対応していませんでした。
条件が良ければ、FHDのスローも十分綺麗なのですが、そこはやっぱり4K60Pで撮りたいところです。
残念ながら、4K60Pの時は、APS-C相当にクロップされちゃうのですが、クロップされないカメラで手が届くカメラは今のところ見当たらないので仕方ないですね。ちょっと引いたり撮り方でカバーします。
4K 60P 10bit V-LOGを編集したものから切り出し
3、操作感が気持ちいい
今となっては慣れましたが、α99ⅱからα7ⅲに乗り換えた時はボタンの数やグリップ性に違和感がありました。
ファインダーを覗いたままでのWB、ISOなどの変更とフォーカス方式の切替がやりにくいこと、小指の余るグリップなどがそうです。実際、α7ⅲではエクステンショングリップを使っていました。
GH5を使った時にはこの辺りの不満がなかったので、操作系の近いS5も直感的に気持ちよく使えます。
特にAWB、ISO、露出補正、フォーカスモード切り替えが独立してるのが良いです。
メニューにはまだ慣れていませんが、カテゴリー分け、階層がわかりやすいので、慣れればS5の方が使いやすそうです。
コンパクトなボディでありながら、小指の余らないグリップ
地味に便利なフロントFnボタン。
・WB、ISO、露出補正ボタン、フォーカス切替が独立していて使いやすい。
・背面ホイールは出代の割に押し代が浅いので、連続で押した時にたまに滑る。
・グリップラバーは、ボディにきちんとハマっているので、長く使っていても剥がれることはなさそう。
・安心のフルマグネシウムボディ(α7ⅲは確かフロントだけマグネシウム)
4、サイズ、機能、価格のバランスが気持ちいい
簡単に言うと、LUMIX既存機種で私が不満に思っていたポイントを全部解消してあるのがS5だと思ってます。
しかもキャッシュバックでいきなり安いので(ボディ20000円、レンズキット30000円)、スペックに対してかなりお買い得なカメラでもあります。
ちなみに!α7sⅲは、動画関連の機能は十二分なのですが、価格面でちょっとついていけないなと思いました。α7cはα7ⅲとほぼ同じですね。
【動画機能が良いのがわかっていても、これまでLUMIXに乗り換えられなかったポイント】
・S1、GH5→有償アップグレードしないとV-LOG形式では撮影できない(後工程で色が触りにくい)
・S1H&S1&S1R→大きくて重いので、外で動き回るような撮影では使いにくい。
・GH5S→手ぶれ補正なし(ジンバルを使うにしても、カメラ・レンズ側の手ぶれ補正はあった方がブレなくて良いです)
・GH5S&GH5→4/3センサーなので、フルサイズのレンズを使うと画角が2倍になってしまう。ボケがもうちょっと欲しい。
そんなS5ですが、ここからは最後まで気になったポイントと、実際に使ってみての感想です。
1、Lマウントのレンズが少ない
→α7ⅲでも、最終的にはマウントアダプター+ニコンのオールドレンズで運用していたので、
ある程度割り切ってしまうことにしました。
【私がオールドレンズを使う理由】
1、オールドレンズらしい画が撮れる。フレア、ゴースト、周辺減光が出やすいので、画面の中で明暗の変化、部分的な強弱を付けやすく、見せ場をコントロールしやすい。
2、AFレンズに比べて、マウントアダプターを含めても小さくて軽い
3、動画では表現としてMFを多用するので、MF専用レンズの方がフォーカスを合わやすい
4、比較的安価(中古と言うのもありますが、現行AFレンズの半額以下です)
私がニコンFマウントレンズを使うのは、①過去モデルから現行品までたくさん出回っている(=値段がこなれている)②絞りが機械式(電子式のマウントアダプターが不要) という理由からです。
広角系を覗いて、全部ニコンで揃えました。今回買い足したのは、11mm、24mm、35mmの広角系です。
35mmは高かった(マップカメラで48000円)ですが、静止画でも動画でもよく使う画角なので明るいのを奮発しました。
11mm f2.8(銘匠工学) ,24mm f2.8(コシナ)、35mm f1.4 、50mm f1.4 ,60m f2.8 macro ,85mm f1.8 ,135mm f2.8
他には、M42のPENTAXのアトムレンズなども持ってます。
動画撮影では動きがあるので、広角レンズをメインに使うことが多いです。
特に35mmは人物にも景色にも、とても使いやすい画角です。
α7ⅲではVoightLander NOKTON Classic 35mm F1.4を多用してたので、そこの穴埋めにニコンの35mmを購入しました。下の写真はNOKTON Classic 35mmです。現行レンズですが、光の変化に敏感で程よく緩い写りが大変気に入っていました。
ブレは気になりますが、個人的には85mmを使うのも好きです。
写真を撮るにはちょい引きすぎかな!?くらいの構図で撮ると動画でしっくりくる構図になると思います。
ニコンの85mm はf1.8、シグマの85mmはf1.4ではありますが、それにしてもオールドレンズと最新レンズでは大きさと重さの差が大きいです。
機材が コンパクトで軽いと、ジンバル使用時も誤動作が少なくなって快適です。
ただ、フォローフォーカスを使う手間はかかりますが。
24mmなど、広角系であれば被写界深度が深くなるので、ピント合わせもだいぶ楽になります。
レンズ交換の余裕がないシーンではAFの標準ズームレンズをメインにします。
純正レンズは、当面は広角の強いキットレンズ、20-60mmと評判の良い24-105mmで運用しようかなと思っています。
シグマの24-70 DN DG F2.8も気になりますが、ひとまず保留。
2、AF性能
→気になってはいましたが、人を純正レンズで撮る分にはα7ⅲとあまり変わりなく使えました。ひとまず安心。
LUMIXで期待してた人体認識は、人の顔がこっちを向いてなくても常に反応してくれるので、顔が映らない構図も撮りやすかったです。
ただ、フレームレートが24fpsになると、情報量が減ってAF速度が少し遅くなるようです。
3、バッテリー持ち
→これはちょっと残念でした。α7ⅲだと、動画でも静止画でも半日+αくらいの撮影なら一本で十分足りるところが、S5は2本必要な感じです。
仕方ないので2本で運用します。α7ⅲでは別売り&高価なチャージャーが、S5では付属していたのが嬉しい誤算でした。
LEICA Lマウントへの乗り換え&動画撮影にあたり、私が購入した便利なものたちも紹介しておきます。
1、マウントアダプター nikon Fマウント or M42mmマウント → LEICA Lマウント
私の購入したレンズで使う分には問題ありませんでした。
ただ、脱着ボタンに引っかかりがあったので、ちょっと注油はしました。
2、sdカード
4K60P 10bitでも特に問題ありませんでした。こちらが安いしお勧めです。
あんまり大容量すぎると、データ飛んだ時のリスクが高いので、小分けにする方が良いそうです。動画をたくさん取り始めた時にそれぞれ二枚ずつ購入しました。
3、可変ND
動画撮影では写真と比べてシャッタースピードを遅くする必要があるので、必須です。
露出をシャッタースピードで合わせると、カクカクした動画になってしまいます。
77mm + ステップアップリングがあれば、可変ND一つである程度使いまわせます。
ただ、オールドレンズの24mmだと、流石にケラレが出るので、58mm程度の可変NDもあっても良いかなと思います。
このNDは、ムラが気にならないので気に入ってますが、上限がND32だと、f1.4&LOG撮影の時に間に合わなくなる時があります。
そんな時はちょっと高いけどこちら。
ケンコーも安い方のがあるんですが、ムラがでやすいです。
4、銘匠工学
作りも写りも良い感じの魚眼レンズ
5、液晶保護フィルム
→液晶サイズが同じなのでG100用が使えます
6、ストラップ
→長さ調整がスムーズ、軽い、アルミが使われてなくて収納時カメラに傷がつきにくいので個人的にはピークデザインよりdiagnlがお勧めです。
ジンバルや三脚を使う時はストラップを外すのでピークデザインのリーシュを付けてます。
7、ジンバル
→α7ⅲの時から愛用。比較的軽い割に、耐荷重も高いのでお勧めです。たまにタイムセールをやってるので、チェックしてみてください。
グリップにステータス液晶があるので、その時の設定がすぐ確認できるのが良いです。延長ロッドもあるとローアングルがめっちゃ撮りやすく、腰にも優しいです。
フォローフォーカスは慣れが必要ですが、ジンバルと組み合わせるととても気持ちの良い画が撮れます!!!
動画については、音楽、編集、カメラワークなど、勉強することや、作業することが多く、ハードルは高いのですが、その分一本を仕上げた時の満足感は写真では得難いものがあります。
また、動画を切り出してみると、写真では撮ろうと思っても撮れないようなカットが撮れていたりもしますので、動画撮影は一粒で二度美味しいことに最近気づきました。
私は2011年ごろのNEX5から約10年SONYのカメラを使ってきました。
写真に関してはα7ⅲで打ち止め感がありましたので、ここにきて動画のためにこんな思い切った乗り換えをするとは思いもしませんでしたが、動画がきっかけで撮影の新しい楽しみが見つけられたと思います。