エボ ハーレーとスヴァルトピレンの日記

趣味のバイク(エボ ハーレー&スヴァルトピレン)、撮影などについてのブログです。

Harley - Davidson スポーツスター XL1200C 2004 のレビュー① 良いところ

早いもので、2019年10月に購入して、4月末まで、7ヶ月が経過しました。

走行距離は、3600kmくらい、そろそろオイル交換もしたい時期です。

 

この前、トライアンフの2020 ボバー ブラックにも試乗させて頂いたので、それとの比較も含めて個人的に感じたことを、プロダクトデザイナー視点も交えながら書きたいと思います。

 

*「ハーレー 」とざっくり記載している部分について、「スポーツスター以外のモデルは、同等以上にハイクオリティなはず」と言う想定のもとで書いています。

 

 

◎2004 XL1200Cの良いところ◎

 

■エンジンのドコドコ感・・・これがあるからこのバイクを買ったと言っても過言ではないほど、エンジンの鼓動感が気持ち良いです。いかにも機械的な等間隔の爆発ではなく、生き物らしさを感じるような不等間隔の爆発音とその振動がたまりません。

1/fゆらぎのようなものでしょうか?たとえ、走っていなくとも、エンジンをかけて跨っているだけで気持ちいいです。これがあるから、信号待ちでも、渋滞でも、前の車が遅くても、楽しく乗っていられると思います。飛ばさなくとも、極端な話、走らなくても気持ちいい。そんなバイクだと思います。

過去、いろんなバイクを所有したり、試乗したりしてきましたが、ほとんどのバイクになかったのがこの生き物のような鼓動感です。

ただ、ヤマハのMT-01だけはこれに匹敵するか、上回るくらいの衝撃的な鼓動感でした。これは突き上げもものすごかったです。さすが、「鼓動」と言うコンセプトを打ち出すだけのことはあります。

2007年以降のFIモデルも、FIチューニングによって、キャブに近い鼓動感を得られるそうですが、アイドリング、低回転走行時の鼓動感はやはりキャブモデルが良いそうです(FIチューニング屋さん談)。同じお店で、FIモデルとキャブ車を比較しましたが、購入の決め手になるくらい、僕はキャブモデルの鼓動感が好きです。

ちなみに、最新のソフテイルモデルも試乗したところでは発進時の低回転域での加速はとても気持ち良かったです。ただ、2000〜3000回転辺り以外の鼓動感については、僕はやはりXL1200の方が好きです。

トライアンフのボバーも、低回転走行時の鼓動感は、XL1200ほどではないものの、十分に気持ち良いものでした。加えて、回した時の速度のノビも圧倒的に良かったので、ちょっと羨ましかったです。

 

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■車体の造形・・・スポーツスター を買う時、買ってから、バイク屋でたくさんのクルーザー(アメリカン)バイクを見てきましたが、現行国産車(旧車にはあるかも知れません)でハーレー のバイクほど彫りの深い造形をしたエンジンを見たことがありません。とても乱暴に言ってしまうと、空冷であっても、国産バイクのエンジンはとても平面的です。

彫りが深いと何がいいのか?それは、光が当たった時の、金属の表情がとても豊かであると言うことです。光の当たって明るいところ、影になるところ、その間のグラデーションのところ、それぞれの表情の幅がとても深いのがハーレーのバイクだと思います。

この前見てきた、トライアンフもハーレー と同じようにとても彫りが深く、メリハリのある形状をしたパーツがてんこ盛りでした。

彫りが深い(起伏が大きい)形状を作るには、金型も大きくなり、その分金型代も高くなってしまいます。推測ですが、その辺りのお金のかけ方が国産車と外国車の違いかなと思います。

造形に感じる印象は、

ハーレー:それぞれのパーツに細かな造形が入れ込まれていないのでシンプル

トライアンフ:一つのパーツの中に細かな造形が盛り込まれていて繊細

と言う感じです。

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■車体の質感・・・映り込みによる表情豊かなメッキと、表情豊な塗装&手作り感。これがハーレー から見て取れる質感(表面仕上げ)です。

・全部金属&厚みを感じるメッキ:外装に使われるカバー類は、国産車では樹脂を使うところが、ほぼ金属で成形されているのがハーレー の大きな特徴の一つだと思います。エンジンフィンなど、後で切削した部分以外はシャープなエッジが見当たらないので、整形した金属部品を磨いて、厚いメッキをかけたのかな?と想像できます。前述の彫りの深い造形+滑らかな表面に分厚いメッキがかかることで独特の質感が生まれているのだと思います。

この仕上げは、トライアンフのような繊細な造形に組み合わせてしまうと、エッジがボケてそれぞれの形状がぼんやりとしてしまうと思います。シンプルで大らかな形状のハーレーに合った仕上げではないかと思います。

最近流行のブラックモデルにも多く採用されているリンクル塗装は塗膜の厚い塗装なので、やはりトライアンフのような繊細な造形とは相性が悪いと思います。

 

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・表情豊な塗装&手作り感:まず、使われている光輝材(塗料に混ぜ込むパールなど)の質が国産車と違うと思います。明るいところと暗いところの見え方の差がとても強いからです。

シンプルで大らかな面構成が、この塗料ともしっくりきています。タンクなどのグラフィック(ストライプ)なんかも、国産車ではデカールを使うことが多いですが、ハーレー ではなんと塗装(筆塗り?、車種にもよります)です。これは線が揺れていたり、筆によるムラがあったりするところから見て取れます。これは好きずきだと思いますが、個人的には手作業の方がなんだか愛着が湧いて好きです。

デカールの場合は、異なる色の境界に線がある場合、線の色1色、両サイドの2色の計3色でデカールが作られいます。デカールと塗装色は厳密には色が合わないので、そう言う意味では塗装のラインの方が色自体はきれいに見えると思います。塗装面の段差もできにくいです。

普通にタンクを塗り分けると、おそらく色の境目のところは個体によりバラつきが出てしまい、不良品が出る、不良品の率が高いと部品単価が上がるので、デカールによるラインで不良律を下げてコストダウンしているのかなと想像します。ちなみに、塗装や手描きだとそれはそれでコストが上がったり、不良が出ると思います。ここは車両販売額や、生産数とのバランスでしょう。

 

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そんな感じのハーレーに対して、トライアンフはとても均質に製造され、かつ様々な仕上げを繊細に組み合わせて車両の品位を上げていると思います。塗装、切削、染め、ブラストなど、パーツごとに細かく仕上げを変えてあり、かつその組み合わせのバランスが絶妙です。デザイナー視点で見ると、ほんとにセンスよくまとめてあるなと感心してしまいます。繊細でセンスよくまとめられたトライアンフ、力強くシンプルなハーレー 、どちらもずっと眺めてられるくらい魅力的です。

 

余談ですが、メッキ=樹脂を金属っぽく見せる嘘つきの仕上げと言う印象をずっと持っていて好きじゃなかったのですが、XL1200Cに関しては、磨く楽しみと環境によって表情を変える質感がとても好きです。

 

■XL1200C良いところのまとめ「感性的な価値がほぼ全て」

感性的な価値の反対は、機能的な価値なのですが、機能的な価値はほぼ求めていなかったので良いところが「感性的な価値がほぼ全て」になるのは当たり前ですね。

僕はブランドを盲信的に崇拝したりしないし、ブランドロゴがデカデカと表記されたものは嫌いです。ハーレーだから好きなんじゃなくて、上記のような魅力があるから僕はXL1200Cとハーレーが好きです。最新モデルで魅了の軸はブラさずに、キーレスを搭載したり、多機能メーターをハンドルライザーに組み込んで、きちんと機能をアップデートしてるところもナイスです。

 

長くなったので、不満なところは次回に